「もう ぬげない」ヨシタケ シンスケ
今回紹介するのは、絵本です。
夏の暑い日、家に帰ってきて汗ばんだシャツを脱ごうとすると、
首のところで引っかかって脱げなくなってしまった。
しかも、顔が服に覆われた中途半端な状態で、
自力で元に戻せなくなってしまった。
そんな経験ありませんでしたか?
そこから、話がはじまります。
そこから、この服がぬげなくなってしまったこの子の
試行錯誤がはじまり、
やがて、あきらめ、
そののち、思考がはじまります。
絵がおもしろくて、笑ってしまうのですが、
最終的には哲学的な深い思考に
知らない間に連れていってくれます。
それが、ヨシタケシンスケ作品の特徴です。
(頭もよくなります。たぶん。)
発想に富んだ絵がおもしろく、しかも、話が深い。
「もう ぬげない」以外にも、多くの作品があり、
自分のニセロボットを作ろうとして、「自分」とは何かに至る
「ぼくのニセモノを つくるには」。
ひとつのりんごから、存在論・認識論に至る
「りんご かもしれない」。
死んだおじいちゃんのノートから、「死」とは何かに至る
「このあと どうしちゃおう」。
私はどれも大好きです。
ちなみに、英訳版もあるので、
合わせて読めば英語の勉強にもなりますよ。
(絵本の日本語版と英語版を比べて読むのはおススメの勉強法のひとつです!)