おすすめ図書 其の三

『三国志』横山光輝

あさのあつこ、重松清と直球が続いた後は変化球で。

ちょうど今頃の季節の話です。
中学1年生になったばかりの梅田は、志村二中の図書準備室で1冊…いえ、60冊の本と出会いました。それが横山光輝三国志です。豪傑や知将の活躍に胸を躍らせ、もっと彼らのことが知りたくなった私は図書館で関連本を探すようになり、今では三国志検定1級を所持する程度の立派なマニアにまで成長(?)しました。
まさに、1人の中学生の人生を大きく変えた作品と言えます。

そんな私がオススメする三国志の魅力は「話題の共通性」です。皆さんが大人になると、年齢・性別・職業が異なる人々と接する機会が増えます。そんなとき、三国志は老若男女を問わない便利な共通言語の1つなのです。コミュニケーションに詰まったら「呂布って強いよね」と呟いてみて下さい。同じ属性を持った人たちが必ず反応します。そこから話がどんどん広がっていくことでしょう。
世代を超え、共通のテーマで楽しく語り合えるなんて素敵だとは思いませんか?

なお、横山光輝の漫画は長編です。もう少しライトな漫画をご希望の場合は
『孔明のヨメ』杜康潤
をおすすめします。絵柄だけ見るとほのぼのゆる系漫画ですが、これこそ孔明の罠。実は漢代の社会情勢や文化・経済がかなり詳しく書き込まれており、子どもから大人まで楽しく読める本です。