本を求めてサイクリング

父は読書家で、古典文学から大衆小説まで幅広いジャンルの本が本棚に収まっていました。梅田は幼いころから父の書斎に入っては、推定二千冊はあるであろう本の山の中から面白そうなものを探して読むのが好きでした。
そのためか、小学校では外で遊ぶよりも友人と話し込んだり図書室で本を読んだりする方が好きで、志村四小に在籍した5年間で、図書室の本をほぼ全て読破したという自負があります(外遊び推奨派の担任とのバトルもありましたが…)。


中学生になると、身近にある本はほとんど読みつくし、ほとんどが読んだことのある本になってしまいました。そこで梅田が考えたのが図書館巡りです。天気の良い日曜日は、板橋区の地図を片手に自転車で縦横無尽に走り回り、区内にある全ての図書館に行き本を読み漁っていました。ジャンルは問わない、いわゆる乱読です。
そのうち、探している本がどこの図書館にあるかを調べるサービスがあることに気づき(当時なので、インターネットという呼び方ではなかったと思いますが…)、遠くの図書館にある面白そうな本を見つけ、自転車で旅するのが楽しみとなりました。一番遠くまで行ったのが、南浦和の図書館でした。ここまでくると、読書とサイクリングのどちらが目的なのかわからないですね。


今はネットで本を見ることもできますが、自分の足で目的のものを探しに行くというのは楽しいものです。外出制限がなくなったときは、知的好奇心を満たすのと体力アップとを兼ねて自分の知らない本を探しに表に出てみてはいかがでしょうか。